今日は番外編となりますが、一緒にぽんず 職人の技を作っている彼、彼女の
話をさせてください。
なぜ料理一筋だった私が、店をやめて障がい者施設でぽんずを作っているのか。
彼らの施設での1か月の工賃をご存知ですか?
私がぽんずを作ってもらってる施設で15000円ほどです。
これは多い方で中には2000円とか3000円とかいう所
もあります。
障がい者年金を年間おおよそ70万円国から
いただいていますが、月で割ると5万8000円そこそこです。
在宅の人もいますが、多くの人がグループホームという
ところで数人の障がい者が共同生活をしています。
家賃、水道光熱費、食費を引くとほとんどお金は残りません。
というより赤字です。
親御さんが補填していたりしますが、
裕福な家庭ばかりではありません。
定年退職して年金暮らしの親御さんもおられます。
何故、施設ではそれだけの工賃しかもらえないのでしょうか?
彼らが知的障がいを持っているから?
いいえ、違います。
仕事を作り、マーケティングができる人がいないからです。
ほとんどの施設は焼き菓子、パン、さ織、
内職、アルミ缶回収などの作業で彼らの工賃を
稼いでいます。
しかし、焼き菓子、パンなどは素人の職員がつくるので
そんなに売れるものではありません。
アルミ缶も内職も1つ何銭の世界です。
それではいくら頑張っても工賃なんて上がりません。
そこで始めたのがぽんずです。
材料費、広告費などの費用のかかるものと調合まで私が準備し
瓶詰め・シール貼り・箱詰め発送まで施設で行っています。
売上の約2割が施設の利益になります。
「障がい者が作ったから買って下さい」の障がいを
売りにしたような売り方ではなく「え?こんな良いものを知
的障がい者施設で作ってるの?」と思って頂けるような
質の高い商品を作り
お客様にほしいと思って買って頂けるものをとして作りました。
知的な障がいはあっても、技術は訓練すれば
向上します。かかる時間、個人差はありますが
必ず向上します。
最初はぽんずのシールをまっすぐに貼れなかったり、
箱を組み立てる時に破ったり、ぽんずを瓶に入れる時に
こぼしたりありましたが、今ではそんな事はほとんどありません。
その人の得意を見極めて役割を分担し、技術訓練を
重ねていけば必ず向上します。
誰でも最初からできる人なんていません。
中には技術面では、普通に就職出来そうな
障がい者もいます。
しかし社会ではまだまだ受け入れてもらえず
施設を卒業するような事はほとんどありません。
いわば一生を施設で過ごすのです。
ならば、ただ単の作業をするのではなく
生きがい、やりがいの感じる仕事をと始めました。
人の究極の幸せとは
・人の役に立つ事
・褒めてもらえる事
・人に必要とされる事
・愛される事
といいます。
一番下以外は仕事で満たす事が出来ます。
ただ単のお金を稼ぐ為の作業ではなく
上部3つが満たされるような仕事
を作っていきたいと思います。