あなたは料理の味付けは塩派?それとも醤油派ですか?
ずいぶん前ですが、塩は国の専売事業でした。あるのは精製塩やアジシオくらいなものでした。それが自由化になり、色んな美味しい塩が出始めました。
それに伴い、塩の方が食材の持ち味が活きるという事で、塩が脚光を浴びるようになりました。
そのうちお店などでは「塩醤油論争」が始まりました!(笑)
焼き鳥屋さんでは、塩vsタレ論争です。
前までは焼き鳥のタレは焼き鳥屋さんの命とも言えるものでした。
何十年も継ぎ足しを重ねたお店独自の秘伝のたれや、暖簾分けで代々受け継いだタレなど、「焼き鳥の旨さはタレで決まる!」と言われるほどでした。
鳥でいえば、近年ブロイラーの鶏だけで無く、全国各地で地鶏が生産され、流通したのも塩で食べるということを加速さ
せたと思います。
「焼き鳥は塩、タレどちらにしますか?」
「じゃあ塩で。」
聞いているとどこでも「塩派」が優勢の様の思えます。
塩派から「素材の味を楽しむなら、やはり塩」という声が。
醤油派からは「通ぶってる」「流行に乗ってるだけ」などの声が聞こえてきます。
料理人としましては、塩と醤油は役割が違うと思います。
鰹出汁でお吸い物を作っていると、よくわかるのですが、塩は鰹、昆布の味を引き立て、そこに醤油を入れると味に深みが増します。
塩は素材の味を引き立てますが、良い味だけでなく、例えば生臭さも引き立てます。
一方、醤油の中にはアミノ酸が含まれています。
アミノ酸といえば旨味成分です。
持ち味を引き立てるというより、持ち味が強くなるということです。
醤油には塩分も含まれており、言わば「持ち味を引き立て、持ち味を強くする」訳です。
しかし、醤油の味がありますので、素材の味を楽しむのには邪魔になると言われるんだと思います。
私は決して邪魔になるものではないと思います。
一つのものを、塩で食べてみて次は醤油で食べてみる。
2つの味を味わえた方が食べるのも楽しいのではないでしょうか。
また、塩焼きに醤油を少しつけるのもいいですね!
塩派だの醤油派だの言わずに両方楽しみましょう!
あ、もう一言
ぽん酢「職人の技」で食べると醤油よりアミノ酸、グルタミン酸が多く、塩分半分で美味しくいただけます!